2020年05月02日

川端康成と安田靱彦

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学生時代、気の向かない講義をよくさぼっては美術館や博物館に逃げた。
中でも日本画が好きで、よく通った美術館があった。
日本橋兜町にあった山種美術館。
今は広尾に移転してしまったけれど、以前は兜町の証券ビルの上にあって、小さいながらも品のよい静かな佇まいの日本画の美術館だった。
いつ行っても一人か、二人くらいの人だった。
横山大観、小林古径、前田青邨、上村松園、速水御舟、安田靱彦、東山魁夷、奥村土牛など、錚々たる日本画家の名画が、いつも独り占め出来る美術館だった。
その中でも、古径や青邨、靱彦の歴史画が好きで、はじめて青邨の「知盛幻生」や靱彦の「日食」を観たあの時の感動は今でも忘れない。

文豪 川端康成は多くの画家と親密な関係を築いていたことは良く知られているようですが、
新潮社が初の川端全集の表紙画を安田靱彦に依頼したことが縁になって、両者、古美術の蒐集もあったことから文通と交遊がはじまり、安田靱彦は良寛の蒐集家でもあり研究者としても知られていましたが、また川端康成も良寛を愛していたことが二人の接点となったと。
その二人の往復書簡を交えて…

ブックカバーチャレンジ6日目は

   「大和し美し 川端康成と安田靱彦 」

( 求龍堂 )



美術書としても素敵な本ですよ。
是非是非に!

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2020年04月29日

久保田万太郎 「こでまり抄」

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二十代の頃、いつも自分のポケットや鞄の中に入れていた可愛い本があります。


  久保田万太郎句集 「こでまり抄」

        成瀬櫻桃子編 (ふらんす堂)




小説家・劇作家 久保田万太郎は浅草生まれ。
生粋の江戸っ子として伝統的な江戸言葉を用い駆使して滅びゆく下町の人情を描いた多くの作品、舞台を残しました。また俳誌「春燈」を主宰し文人俳句の代表作家としても知られました。
私は、作品や舞台は勿論のこと、万太郎の哀しく愁いある、ひとりごとの句にとても惹かれました。
その万太郎の「ひとりごと」に惹かれて、持ち歩き読んでいたのがこの「こでまり抄」です。

  
    神田川祭りの中をながれけり
    
   竹馬やいろはにほへとちりぢりに

   さびしさは木をつむあそびつもる雪

    月の雨ふるだけふると降りにけり

万太郎は邦楽界にも縁が深く、「みやこ風流」と言う長唄の名曲を残しました。
中でも長唄の名人 七代目芳村伊十郎師や山田抄太郎師は、よく万太郎の家を訪れたと言います。

ある日、万太郎が「こんな小唄を作ったんです」と遊びに来ていた抄太郎にスラスラ書いて渡すと、それを読んだ抄太郎が、ちょっと考え、三味線を持って来てもらい、少し試しに弾いてみたりしたあと、うなずいて、即座にこの新曲に手をつけたと言う。

         
      
     智恵の輪の ちえでぬけずに
     
     ひょっくりと はずみでぬけし
    
     面白さ  だからさ

この様にして、万太郎が作った多くの小唄の殆どが抄太郎作曲で、数多くの名曲を残して、今でも人気曲として唄われています。

妻、子に先立たれていた万太郎は、晩年何度かの入院をしている。その時にずっと病床に付き添っていた女性がいた。その女性も翌年に亡くす。このあと、万太郎の嘆き悲しむ姿を近くにいる人間は正視できなかったという。

   
   湯豆腐やいのちのはてのうすあかり

万太郎の代表句である。
この句を詠んだ五ヶ月ののちの急逝。

   小でまりの花に風いで来りけり
                
             久保田万太郎

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2020年04月28日

「たいこもち」 櫻川忠七

image2.jpegたいこもち」 櫻川忠七 著 (朱雀社・昭34



昨日、紹介した新派の名優 花柳章太郎と私が出逢ったのは、「遊女夕霧」という古い舞台中継の映像だった。
その中に、今回紹介する「たいこもち」櫻川忠七も生きていた。

この「遊女夕霧」は川口松太郎の小説、脚本で、花柳の代表作となった芝居です。
序幕は吉原の引き手茶屋で、多勢の太鼓持ちが酒席の座興を添えている場面がある。
川口は、演出の久保田万太郎に「できれば忠七を舞台へ出してほしい」と注文を出した。
その希望が叶えられて忠七は舞台へ出ることになった。台詞も言い、踊りも踊って、明治の吉原の雰囲気を再現したと言う。
川口は、忠七が出て来ただけで古い東京之雰囲気がただよう。こんな匂いのする人物も忠七一人ではあるまいか。私が文部大臣であったら忠七を無形文化財にしただろう。芸に生き、芸に学んで、吉原だけに生きてと。
吉原一筋に生きた櫻川忠七の芸談と足跡です。

  夏足袋やいのち拾いしたいこもち
              
              久保田万太郎



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2020年04月27日

わたしのたんす


FBで、「7日間ブックカバーチャレンジ」と言うバトンを渡されて、自分の思い出の本を紹介してますが、今年、塩原庭村に改名にするにあたり、新たなスタートをきるために昨年の秋から、三七郎の時代のものは殆ど整理いたしました。最低限必要なものだけ残して、箪笥の中も分相応にいたしました。なんだかとてもスッキリして、早く整理しとけばと、なんとも気持ちのいいことでした。
ブックカバーチャレンジで今日ご紹介したのはこの一冊。



「わたしのたんす」      花柳章太郎著
             三月書房発行

昭和の新派の名優 花柳章太郎が著した「きもの随筆」です。

   四月馬鹿名づけてきもの博士とや

と洒落て即吟して出版の挨拶にした程の人でした。
四季折々の着物のことは勿論、歴史、舞台衣裳、冷やし染、やたら染、草木染、紫紺染や刺子、浴衣、帯のこと、名優といわれた役者の着物の逸話など、きもの 芸談と言って良いのではないでしょうか。
伊藤深水、木村荘八、藤原あき、比留間常洋、武原はん、伊藤熹朔などとの座談もあり、各々の着物の取合わせ、着こなしなどを語っています。今となっては大変貴重な贅沢な内容の一冊です。

私の宝物の一つとなりました。

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posted by 杵屋三七郎 at 22:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

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FBで、「7日間ブックカバーチャレンジ」と言うバトンを渡されて、自分の思い出の本を紹介してますが、今年、塩原庭村に改名にするにあたり、新たなスタートをするために昨年の秋から、三七郎の時代のものは殆ど整理いたしました。最低限必要なものだけ残して、箪笥の中を分相応にしました。なんだかとてもスッキリして気持ちのいいことでした。
ブックカバーチャレンジで今日ご紹介した一冊は

「わたしのたんす」 花柳章太郎著
               三月書房発行

昭和の新派の名優 花柳章太郎が著した「きもの随筆」です。

   四月馬鹿名づけてきもの博士とや

と洒落て即吟して出版の挨拶にした程の人でした。
四季折々の着物のことは勿論、歴史、舞台衣裳、冷やし染、やたら染、草木染、紫紺染や刺子、浴衣、帯のこと、名優といわれた役者の着物の逸話など、きもの 芸談と言って良いのではないでしょうか。
伊藤深水、木村荘八、藤原あき、比留間常洋、武原はん、伊藤熹朔などとの座談もあり、各々の着物の取合わせ、着こなしなどを語っています。今となっては大変貴重な贅沢な内容の一冊です。

私の宝物の一つとなりました。

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2020年04月25日

一日中散歩

image0.jpeg今日は、もう一日中散歩。



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2020年04月24日

笛を吹く人

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旅人が一人私のところに来て、いろいろの事を話して行った。
私はその男の名も聞かず、何処から来たのかもしらず、その男の話しを聞いた。
その人は笛一つもって歩いていれば、何処でも迎えられ、暮らしの心配もなく、皆によろこばれれ、うやまわれ、愛されるのだそうだ。
それにもまして、その男は誰も居ない処で笛を吹くのが一番好きなのだそうだ。
旅人も一度それをそっと聞いて嬉し涙を流したそうだ。その笛あってその人は生き、その人あってその笛は生きるのだそうだ。
私はその話しを聞いて嬉しくなり、一度私もその笛を聞いてみたいと思っているのだが、その男の名もしらず、何処の人かも知らないのだ。
だが何処かにその笛の名人は生きていて、今日もその笛を吹いているであろう。
そして毎日笛を吹いて、人間や小鳥や草木を嬉ばしているであろう。
そう思える事はうれしい事ではないか
泪こぼるる。
           
           
「笛を吹く人」
           
           武者小路実篤 作詞
           荻江 露 友 節付
           荻江 露 章 作曲

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posted by 杵屋三七郎 at 01:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2020年04月08日

通信稽古

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今月から各稽古場もお休みになりましたが、「何とか稽古してください」と言う御弟子さんもいらしたので、スカイプやzoomなど色々と考えましたが、それもちょっと違うかなぁと思いまして、希望者には稽古音源と唄本を送ることとなりました。


今日は「鶴亀」の唄本を書きましたが、なんだか写経している様で気持ちよかったですね。
これから毎日、少しずつ書いていこうと思います。

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posted by 杵屋三七郎 at 23:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2020年04月02日

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image0.jpeg今日は、稽古日の帰りに谷中の和菓子屋さん「荻野」さんに久しぶりに寄りました。もう30年近いお付き合いです。
ここ荻野さんの、お団子や草餅は勿論のこと、おこわのおにぎりが本当に美味しんです。
よく楽屋見舞にも使いますが、皆さんとても喜んでくれる品です。いつも早くから売り切れてしまいますが
、運良く御赤飯がありましたので夕食に買って帰りました。


今日は、鶏皮があったので、木の子と山椒で炒めて、あとは鯖汁、そして荻野さんの赤飯となりました。
このところ外で食べることが多かったので、自宅で自分で作って食べるのが、一番ゆっくり出来て美味しですよ。

荻野さんの御赤飯、久しぶりに美味しかったです!

ありがとうございました。

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posted by 杵屋三七郎 at 22:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記