浅草の文扇堂さんで床扇子を買ってから、そのまま仲見世を通って、観音様と浅草神社にお詣りをした。その境内に、初代中村吉右衛門の句碑があった。
「女房も同じ氏子や除夜詣」
「同じ氏子」や「除夜詣」なんて睦まじくていいですよね。新派の舞台を観た様な。
初代の吉右衛門は、ホトトギスの同人で、句集まで出している程の俳人でもあった。僕の家にも一つ、松岡調師にお願いして表装して下さったものがある。
「雪の日や雪のせりふを口ずさむ」
初代中村吉右衛門の代表句である。
それから、トボトボと待乳山聖天の方へ。
この聖天様の鳥居をくぐって右側に観音様が居ますが、通称「出世観音」と言われています。穏やかなお顔で、芸能の神様でもある様です。長唄の「都鳥」にも待乳山の名が出てきますよね。
そして隅田公園に建つ中村座の裏手には、「竹屋の渡し跡碑」があります。
長唄「風流船揃」や「靱猿」、小唄など、渡し舟を呼ぶ「竹屋〜」はここかと驚きました。
まだまだ、この辺りには色々ありますから、また時間のある時に散策してみたいと思います。
中村座にいらっしゃったら、是非に見て行かれるとよいかと思います。