
雨の中ではありましたが、とてもあたたかい素敵な会で大変な盛会でした。
今回、プログラムの中に「雨乞其角」がありました。二十代だったでしょうか、杵屋吉十郎師のラジオの録音で並ばせて頂いたのが初めてでした。
久しぶりに唄わせて頂きました。
此御神に雨乞する人にかはりて
遊ふた地や 田の見めぐりの
と向島にある三囲神社に宝井其角の「ゆふたちや」の句碑を見たことがありますが、
元禄6年は大変な干ばつだった様で、秋の収穫を心配して困りきった村の人々は三囲神社に集まって雨乞いをしていた。その時に、ちょうど三囲神社に詣でた其角が、このありさまを見て、雨乞いの故事にならい、この句を詠んだといわれています。
其角自選句集に「牛島三遶の神前にて 雨乞するものにかはりて 夕立や田を見めくりの神ならは 翌日雨ふる」とあり、翌日に早速効果があったとの事で、宝井其角が雨乞いをするものに代わって三囲神社で詠んだとされる句で、翌日に雨が降ったことから、雨乞いの句と呼ばれています。五・七・七の冒頭に「ゆたか」の三字を織り込み、豊作の祈りが込められているとのことです。
宝井其角(1661 〜 1707)は、松尾芭蕉(まつおばしょう)の高弟で、蕉門の俳人です。「晋」とは其角の俳号の一つ「晋子」を示します。
面白いもので、本日、唄いました「菖蒲浴衣」の中にも「五月雨や傘につけたる小人形」、「晋子が吟もまのあたり」とまさに其角の句が出てきました。
また、桜が咲く頃に三囲詣でをしてみたいと思います。
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