今日は、一日休みがとれて、運良く観たかった京橋の国立アーカイブの「発掘された映画たち〜林又一郎コレクション」の上映会のチケットが取れた。歌舞伎役者 林又一郎の撮った初代鴈治郎をはじめ、梅玉、延若、十五代の羽左衛門、六代菊五郎の貴重な映像コレクションを観ることができた。
その前に1899(明治32)年に九代目市川團十郎、五代目尾上菊五郎の至芸を記録した『紅葉狩』も。日本人によって撮影された現存する最古の日本映画だそうで、学生の時に何処で観た覚えがありまささたが、2006年に日活株式会社から受贈した可燃性35mm白黒デュープネガは、2009年に映画フィルムとして初めて国の重要文化財の指定を受け、最初のデジタル復元が実施され、今回の新たな復元では、現存するフィルムの中では唯一赤色に染色された画質の極めて良好な『紅葉狩』の35mm可燃性ポジを主素材として、その欠落部分を『紅葉狩』(日活版)で補うことで、最長版を作製したとのこと。
次に又一郎コレクションは、初代中村鴈治郎の長男林長三郎(のちの林又一郎。林与一の祖父)が撮影、かつて所持していた原版フィルム51本が発見された。三回忌に『中村鴈治郎 舞台のおもかげ』(1937)として編集されたフィルムが松竹大谷図書館に保存されているが、その原版の多くを含んでいる。道頓堀の王者だった初代鴈治郎の円熟期に撮影されたプライベートフィルムから、その芸とスケールをうかがうことができる。
中でも、
河庄[心中天網島](51925. 6. 中座(出)初代中村鴈治郎、七代目市川中車、初代中村魁車や
盛綱陣屋[近江源氏先陣館]
1928. 6. 中座(出)初代中村鴈治郎、二代目実川延若、四代目市川市蔵、林長三郎、林敏夫
は鴈治郎のリアルなど芸と延若の芸の大きさに感動した。
そして六代目菊五郎の寺子屋[菅原伝授手習鑑]の松王。
1933. 6. 大阪歌舞伎座(出)初代中村鴈治郎、六代目尾上菊五郎、六代目大谷友右衛門、
「春興鏡獅子』。小津安二郎の『鏡獅子」とは全く違う印象で、無音ながら、六代目の芸に身を乗り出して、只々感動と興奮の映像だった。
他に橘屋のかさね[色彩間苅豆]
1931. 6. 中座(出)十五代目市村羽左衛門、六代目尾上梅幸、五代目清元延寿太夫
美しい舞台だった。
全て無音、無声でしたが上映中は早稲田大学文学部教授の児玉先生による実況解説があって、とても充実した上演会だった。
興奮冷めぬまま、天理ギャラリー「中国古典名品展」へ。
時間からか、一人貸切状態で国宝7「南海寄帰内法傳」や「乾隆銅板画」など一つ一つゆっくり見ることが出来て、何とも贅沢な時間だった。
今日は、全てのタイミングが、うまく流れる様に
合って充実した休日となりました。
感謝々でございます。
ありがとうございました!、 iPhoneから送信
2022年05月15日
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