
学生時代、気の向かない講義をよくさぼっては美術館や博物館に逃げた。
中でも日本画が好きで、よく通った美術館があった。
日本橋兜町にあった山種美術館。
今は広尾に移転してしまったけれど、以前は兜町の証券ビルの上にあって、小さいながらも品のよい静かな佇まいの日本画の美術館だった。
いつ行っても一人か、二人くらいの人だった。
横山大観、小林古径、前田青邨、上村松園、速水御舟、安田靱彦、東山魁夷、奥村土牛など、錚々たる日本画家の名画が、いつも独り占め出来る美術館だった。
その中でも、古径や青邨、靱彦の歴史画が好きで、はじめて青邨の「知盛幻生」や靱彦の「日食」を観たあの時の感動は今でも忘れない。
文豪 川端康成は多くの画家と親密な関係を築いていたことは良く知られているようですが、
新潮社が初の川端全集の表紙画を安田靱彦に依頼したことが縁になって、両者、古美術の蒐集もあったことから文通と交遊がはじまり、安田靱彦は良寛の蒐集家でもあり研究者としても知られていましたが、また川端康成も良寛を愛していたことが二人の接点となったと。
その二人の往復書簡を交えて…
ブックカバーチャレンジ6日目は
「大和し美し 川端康成と安田靱彦 」
( 求龍堂 )
美術書としても素敵な本ですよ。
是非是非に!
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