2020年04月24日

笛を吹く人

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旅人が一人私のところに来て、いろいろの事を話して行った。
私はその男の名も聞かず、何処から来たのかもしらず、その男の話しを聞いた。
その人は笛一つもって歩いていれば、何処でも迎えられ、暮らしの心配もなく、皆によろこばれれ、うやまわれ、愛されるのだそうだ。
それにもまして、その男は誰も居ない処で笛を吹くのが一番好きなのだそうだ。
旅人も一度それをそっと聞いて嬉し涙を流したそうだ。その笛あってその人は生き、その人あってその笛は生きるのだそうだ。
私はその話しを聞いて嬉しくなり、一度私もその笛を聞いてみたいと思っているのだが、その男の名もしらず、何処の人かも知らないのだ。
だが何処かにその笛の名人は生きていて、今日もその笛を吹いているであろう。
そして毎日笛を吹いて、人間や小鳥や草木を嬉ばしているであろう。
そう思える事はうれしい事ではないか
泪こぼるる。
           
           
「笛を吹く人」
           
           武者小路実篤 作詞
           荻江 露 友 節付
           荻江 露 章 作曲

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posted by 杵屋三七郎 at 01:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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