2018年05月31日

昶さんとたむらさん

image2.jpegimage1.jpeg清水昶 「少年」より

荒れ草だけの口をひらき
歯なみだけが妙に清潔な一九六七年初夏
こわれやすい陶器で熱い沈黙をまえに
怒りにしまる腰を裂きえぬあなたに
なにをあげよう
地下室に墜ちている蝶
薄暗い納屋でひえている水のような愛

ここは純喫茶男爵だから
美しい観念の髭をはやしてわたしは
のど首をつたう欲望をねくたいでしめ
にがい精神をまっすぐ胸中に垂らしている

なにをあげよう
湧きでる唾液にやわらかな言葉は溶け
わずかに裂けるあなたの語り口に透ける夜街ふかく
ゆっくり醒めるわたしは
夢の中心にまで踏み迷い
まっさおな銃口を朝にひらいた銃座にうずくまり
いっせいに顔をあげる日まわりの花芯を狙っている
なにをあげよう

待ち焦がれるのどをおさえ
かがやく飢餓がたちあがる夜
銃声は遠く臓腑に響き
みだれちる死に花のなか
つめたい汗光る首すじを
男爵のようにたてるわたしは
かかえきれぬ熟れに責めぐあなたの
両の乳房のあいだでするどく割れる悲鳴を
聞く

僕の誕生日は昶さんの命日でもある。

詩人 清水昶が亡くなって早や7年。あっと言う間だった。

この23日には、映画カメラマンの たむらまさきさんも亡くなった。あのビールを飲んでる姿が見られないのが、なんだかとても淋しい。
たむたむのご冥福をお祈りします。






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posted by 杵屋三七郎 at 14:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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